読了本
- 作者: ケイト・アトキンソン,青木純子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2014/10/22
- メディア: 単行本
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冴えない中年探偵が3つの未解決事件と関わるうちに……。うーん、じわじわくるなぁ。何とも言いがたい面白さ。事件はかなり痛ましいし、探偵はどんどん追い込まれていくしで状況は割と悲惨なんだけど、からりとしたユーモアが漂っていて暗くならないのがいい。“ブロディ”より“ジャクソン”のほうが本編中での通りがよく、何故このタイトル?と思っていたが、そういうことなら仕方ないね。それにしても結末には考えされられた。結局、真犯人が見つかり罰せられたとしても死者は帰ってこないわけで。生きている者、残された者たちが先に進むには過去を手放すしかないのかもしれない。苦しみを忘れて新しい幸せを求めることは決して被害者への裏切りではないのだ、と思えるようになるには時間がかかるとしても。にしてもこれシリーズものなんだね、続きが楽しみだな。娘のマーリーがちゃっかりしたお茶目さんで可愛いわ。