読了本

スープ屋しずくの謎解き朝ごはん/友井羊
日常の謎系の分派、うまいもんミステリの佳作。やや文章が硬めで、物語の中に入り込む前に枠や流れが透けて見えちゃうところがなきにしもあらず。でも各章でちらりと顔をのぞかせていた小さな謎が、書き下ろしの最終章で大きくはじけたのはなかなか面白かった。そうきたかーっとびっくり。ただラストの理恵の願いは微妙だった。え、そこ、そんな穏やかに思うところ? 決意を新たにするにしろ、割り込むのは無理だと諦めるにしろ、穏やかでいられないのが普通では? 伊予みたいな積極性や行動力のある子なら「いつかきっと」も分かるんだけど。