読了本

小鳥を愛した容疑者/大倉崇裕
容疑者のペットを保護する「動植物管理係」に配属されたベテラン警部補と新米巡査が、物言わぬ生き物たちから犯罪の手がかりを見つけるという、いっぷう変わった連作短編ミステリ。恋愛の絡まない男女のデコボココンビがなかなか楽しい。いろんな変わり種ペットが出てくるけど、出オチじゃなくて展開もしっかりひねってあるから読み応えがある。続編も楽しみ!

江戸猫ばなし (光文社時代小説文庫)

江戸猫ばなし (光文社時代小説文庫)

江戸猫ばなし/光文社文庫編集部編
オール文庫書き下ろし、猫がテーマの時代ものアンソロジー。稲葉稔「仕立屋の猫」、西條奈加「猫の傀儡(くぐつ)」、高橋由太「九回死んだ猫」が面白かった。特に稲葉さんのはよかったので、他の作品も読んでみようと思う。「犬ばなし」も出ないかな?

デッド・オア・アライヴ

デッド・オア・アライヴ

デッド・オア・アライヴ薬丸岳ほか
江戸川乱歩賞作家7名によるアンソロジー。乱歩賞にゆかりの深い“帝国ホテル”に居合わせた登場人物を“生きるか死ぬか”の目に遭わせる、という縛りで競作している。ホテルとの絡みはやや弱いものの、竹吉優輔「イーストウッドに助けはこない」と鏑木蓮「水の泡〜死を受け入れるまで〜」が意外性のある展開で面白かった。