読了本

糸切り 紅雲町珈琲屋こよみ

糸切り 紅雲町珈琲屋こよみ

糸切り 紅雲町珈琲屋こよみ/吉永南央
シリーズ第四弾。今回も面白かったが、小蔵屋でのほっこりする日常と、起きる騒動のシビアさのギャップにはハラハラ。お草さんはしゃんとしたお年寄りだけど、どちらかといえばおっとりしたタイプで、もちろん立ち回りなぞできるはずもない。お店への嫌がらせや、ちらつく運転手の影に読んでるこちらが怯えてしまった。でもお草さんの思いやりはあってもおせっかい過ぎず、壁は作らないけど一定の距離を保って相手と接する感じは素敵だと思う。お草さんのために怒る久実ちゃんもかわいい。ところで来年春にNHKでドラマ化するそうだ。楽しみ!

スタープレイヤー/恒川光太郎
え、こんなとこで終わり? うーん、色々と尻切れトンボというか、ふろしき畳み切れてないというか。願いを使い切ってからが本当の勝負じゃないかと思うんだけど。そもそもフルムメアは何がしたかったのか。マキオ登場を境に話のカラーが変わったよね、序盤のヒロインのダメな感じは嫌いじゃなかったのだが、後半は何だか『ログ・ホライズン』のお姫様みたいだった。ログホラの冒険者はかなり体張って頭使って苦労するけど、スタープレイヤーは割と簡単に何でも叶えられちゃううえに、願いの内容はあんまりひねってなくて意外性に欠けるので、やや展開が単調に思えてしまった。どちらかといえば夕月より幽のほうが興味あるなぁ……スピンオフとか出ないかしら。あるいはいろんなスタープレイヤーの話をオムニバスでとか。