読了本

黒猫の約束あるいは遡行未来

黒猫の約束あるいは遡行未来

黒猫の約束あるいは遡行未来/森晶麿
シリーズ第5弾。黒猫はいまだ海外滞在中で、物語はマチルド視点で始まる。小動物的な可愛さで黒猫とのコンビネーションも楽しいのだが、最初は「付き人は〜?!」と思った。けど第三者の目って大事ね! 「私」だけじゃ黒猫の本心は見えてこないもん。今回はそのうえ映像という決定的な証拠が。ふふふ、黒猫め、触れるのは失うものが大きいとか言ってたけど、手を出すつもりがない訳じゃなくて、さては付き人のほうがその気になるのを待ってんだな? ドSのようで意外と奥ゆかしい。まだ付き人が引いちゃうのも分かってたんだろうな。それでも寝ながらのアレは、撮影で驚かされた意趣返しでもあるのだろうか。いやはや、今回もじれじれな寸止めラブストーリーを堪能させていただきましたわ。

給食のおにいさん (幻冬舎文庫)

給食のおにいさん (幻冬舎文庫)

給食のおにいさん/遠藤彩見
おもしろかった! 調理師としての腕も自負もありながら、何もかもうまくいかない青年が1年間の腰かけのつもりで就いた職業は想像以上に手ごわかった、というお仕事もの。主人公のキャリアからいったら子どもが相手というのも、生徒・職員・保護者を含めた規模の大きさも勝手が違い過ぎる。そこから生まれる軋轢を自身の成長の糧にしていく様子を無理なく、かつドラマティックに描いてて好感が持てた。決めゼリフがまたいいよな。子どもたち惚れてまうがな。思いっきり速水もこみちで脳内映像化してもーた(笑)。