読了本

シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱

シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱

シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱/高殿円
ホームズものの、というより「SHERLOCK/シャーロック」のパスティーシュ。現代が舞台で、ホームズとワトソンが女。でもふたりとも女っぽくないので、まんまベネディクト・カンバーバッチと‎マーティン・フリーマンが性転換したみたいな雰囲気。面白かったけどね。しかしここまであからさまなネタをあっけらかんとやるのは女性作家&女性登場人物ならではかも。ワトソンの来歴がシャーリーに輪をかけて普通じゃなくて驚いたのだが、今回はさほど話には影響してこなかった。続編があるならいずれ絡んでくるのかな?

日本一の女

日本一の女

日本一の女/斉木香津
空気を読まず、共感力は皆無、頑固で優しさのかけらもなく、でもボスにするなら悪くない、かもしれない女の一代記。表紙だと太陽のような笑顔の肝っ玉かあちゃんなのだが……猿とは言わないがせめて仏頂面でないと看板に偽りありすぎる。しかし話は面白かった、いや面白いというのとはちょっと違う気もするが。サダ視点だからか、もうちょっとみんな彼女のこと受け入れてあげてもいいのにな、と思ってしまう。実際に肉親にこういう人がいたら煙たいどころじゃないだろうが。

就職相談員蛇足軒の生活と意見

就職相談員蛇足軒の生活と意見

就職相談員蛇足軒の生活と意見/松崎有理
いつもの平行世界(?)もの。漢字のないカタカナ語は使わない(釦、珈琲などはオッケー)という謎のこだわりも健在だがもう慣れた。もしかしたらホントに表紙のような猫人間の暮らす世界なのかもしれない。内容はわりとライトで、かなりシュール。とくに終盤は展開がテキトーすぎる感じがしたが、書き下ろしだからかな。