読了本

立身いたしたく候

立身いたしたく候

立身いたしたく候/梶よう子
商家から武家へ養子に入った若者が、お役目に就くため奔走するようすがコミカルに描かれる。梶さんには『ふくろう』という前科前作があり、御番入りしたからってハッピーな訳じゃないんだぞ、とややびくつきながら読んだが、主人公は割とのんきなたちで、逢対のようなアホらしいしきたりもユーモラスに語られていて面白かった。念者ネタにも笑ってしまったし。いちいち疑うもよが……(笑)。しかしこんだけ頑張っても武士の世はあとわずかなんでしょ、と思ったが八百善が再開してすぐならまだまだ20年くらいあるか。その頃、駿平と野依家はどうなっているのかなぁ。