読了本

緋色からくり―女錠前師謎とき帖〈1〉 (新潮文庫)

緋色からくり―女錠前師謎とき帖〈1〉 (新潮文庫)

緋色からくり 女錠前師 謎とき帖一/田牧大和
田牧さんの女主人公っていつも悶々と悩んで一人でイライラしてるイメージがあって、少し苦手だった……のだが、これはそんなことなかった。仕事上、男装と男言葉で通している緋名だけれど、無理はしてないし女らしさを忘れてるわけでもない自然なたたずまいに好印象。事件を追いつつも、緋名じしんが秘密を持っているため二重にスリリングだった。キャラは総じていいい感じ。仕事のうんちくも面白いし、食事シーンがとても美味しそう。なんたって猫の大福が可愛い!

数えからくり: 女錠前師 謎とき帖(二) (新潮文庫)

数えからくり: 女錠前師 謎とき帖(二) (新潮文庫)

数えからくり 女錠前師 謎とき帖二/田牧大和
続編はミステリ度がアップ。徐々に全貌があきらかになっていく数え唄が怖い。ひしひしと迫ってくる暗い“何か”が怖い。面白かったけれど、かなり込み入っているので、ちゃんと理解できてないかも。とくにラストのひねりっぷり、触れたら呼ばれてしまう残穢みたいな……? ちょっと横溝が入ったような、ホラーな雰囲気があって読後感は重め。榎の旦那や甚八、祥太などキャラがみんないいので、さらなる続編に期待したい。