読了本

雨の降る日は学校に行かない

雨の降る日は学校に行かない

雨の降る日は学校に行かない/相沢沙呼
ノンシリーズの連作短編集。面白かった。この作者、女の子が主人公だとどうしてこうも巧いのだろう。女の子に対するドリームとリアルな心理描写のバランスが絶妙なのかも。集団の中に放り込まれ、たとえはみ出しても逃げることはできない“檻”としての学校。口下手だったり、人の輪にとけこめなかったり、すれ違いからつつきまわされたりする子が生き残るにはどうしたらいいのか。彼女たちの心の叫びが胸に痛かったが、前向きな結末がつくのと、あまり説教臭くないのがよかった。「好きな人のいない教室」と「放課後のピント合わせ」が特に印象に残った。