読了本

三銃士の息子 〔ハヤカワ・ミステリ1882〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

三銃士の息子／カミ著、高野優訳
『三銃士』の後日譚を描いたナンセンスなコミカルパロディ。なかなか面白かった！　なぜかアラミスがいないことになっているのだが、アニメ三銃士世代なので「そりゃ女同士ではねえ」と納得。番羊ブルータスやクレープ返し、人道的闘牛のような笑える場面と、赤い柵の池や神の裁きのようなぎょっとするシーンが混ざり合う展開がすごい。キュウリモミータの人生なんかその最たるもの。宿敵マカブルーはプチ加藤明成＠柳生忍法帖みたいだったしなー。ヒーローの名前が最後まで出てこないのもギャグのひとつ？

はなとゆめ (単行本)

はなとゆめ／冲方丁
清少納言はいかにして『枕草子』を書くにいたったか。……普通に面白かったけど、これ冲方さんが書く必要あったのかな？　だってすごーーーーく普通なんだもん。史実に沿いつつも、何かもう少しぶっ飛んだものを期待していたので……。清少納言視点のお話はこれまでにもたくさん書かれてきたが、かなりサラッとした読みごこちなのは男性作家ゆえか。出仕当初は超がつく恥ずかしがりやだったところなんかはよかったし、あらためて枕草子を読み返したくもなった。