読了本

寂しい丘で狩りをする

寂しい丘で狩りをする

寂しい丘で狩りをする/辻原登
作者は根っからのフェミニストなのだと思う。だから被害者である女性にこれ以上苦しんでほしくなかったし、これ以上の重荷も背負わせたくなかった。そして基本的に人間がいとおしいので、加害者である男たちの理不尽さに対しても哀れみこそすれ、厳しい罰は与えたくなかったのではないだろうか。だから物語としてはややぬるいのだけど、溜飲が下がればいいというものでもない。読後あらためてタイトルを見てしんみりした気持ちになった。

石燕夜行 2 輪入道の巻 (角川文庫)

石燕夜行 2 輪入道の巻 (角川文庫)

石燕夜行 2 輪入道の巻/神護かずみ
なんかちょっとコミカルさが増してるような。ご隠居をはじめ妖怪の言動がマンガっぽい。鏡花もやけに性格まるくなっちゃったね。文章の読点は前からこんなに多かったっけ、少し読みにくい。ところで押上の奇妙塔ってもしや……。富士塚好きとしては、いちばん大事な頂上にそんなもんを据えるか? と疑問に思ったが、まあフィクションだし何でもありか。