読了本

春待ちの姫君たち友桐夏
語り手の性格が一定じゃないというか、揺れている感じがしたので、誰かが別の人物になりきっていたりする……? と思っていたんだけど。そういうことか。そんなに簡単に出たり消えたりするもんなのか、専門家にゆだねず素人が寄り集まって何とかしようとしたりしていいのか(特に舞は、わかっていたのに)と疑問に感じたけど、この作品は過去のコバルト版の改稿なんだね。少女小説のリアリティとしてならありかもしれない。旧版と読み比べてみようかな。

鬼溜まりの闇 素浪人半四郎百鬼夜行(一) (講談社文庫)

鬼溜まりの闇 素浪人半四郎百鬼夜行(一) (講談社文庫)

鬼溜まりの闇 素浪人半四郎百鬼夜行(一)/芝村凉也
「返り忠兵衛」の人の新シリーズは意外にもホラー時代ファンタジーだった。そして予想以上に面白かった。現実に縛られないほうがのびのび書けるタイプなのかもね。何やら影のある主人公は単なる巻き込まれ型と思いきや、実は自覚しないまま渦の中心になるだけの力を持ってて、不思議や怪奇を引き寄せているらしい。鬼鍛刀とか、そそるわー。志津のこともまだ秘められた事実があるようだし。第2話と第4話が結構コワくて、なかなかの奇想だと思った。来月に続きが出るらしい。実に楽しみ!