読了本

二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕

二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕

二流小説家/デイヴィッド・ゴードン著、青木千鶴訳
読む前はもっとサスペンスかつハードボイルドしてるのかと……いや、けっこう色々とエグかったりするのだが、主人公のハリーがなかなかいかしたヘボ男(褒めてる)なおかげで、どこかコミカルな雰囲気があって親しみやすく面白かった。差し挟まれるハリーの作中作はミスリードなのかと勘ぐりつつも、本人がこき下ろすほど悪くないよなぁ、でもダリアンの長広舌はちょっと退屈で目が滑るなぁと。一流の〈二流小説家〉と三流の〈二流小説家〉の違いは自覚のあるなしなのかもね。事件は終わったのかと思いきやまだまだ続きがあって、最後までどんでん返しが待っていた。にしても、一人くらい残ってあげてもよかったのに。負けるなハリー、セレブのセの字もないきみは最高だ!