読了本

折れた竜骨 上・下/米澤穂信
文庫化したので再読。剣と魔法の世界が中世歴史上で展開される本格ミステリ。なんというてんこ盛りっぷり! アミーナとニコラが会話しはじめる上巻の終わりあたりから特に面白くなる。やっぱね、探偵役って一人の天才が独走するよりコンビ組んでたほうがより面白いと思うんだ。今回はニコラがホームズ役だけど、アミーナも賢いので推理に爽快感がある(ワトソン役が必要以上におバカだといらいらするんだもん)。それでも事件を未然に防ぐことはできなかったんだけど、無力感にさいなまれるようなオチではなくて未来を見据える強さを感じさせる終わり方だったのはよかった。米澤さんなのに!みたいな。タイトルがまさかポジティブな意味だとは思わなかったよね。