読了本

ダチョウは軽車両に該当します/似鳥鶏
動物園の飼育員が主人公のシリーズ2作目。相変わらず、最初のうちは日常の謎ものみたいなユーモラスで軽めのノリなのに、起こる事件の真相が非常にえげつない。マラソン大会のハプニングが、そして「あの会話」が驚くべき裏の意味を持っていた……。硬派な雰囲気でやっても充分読み応えのあるものができそうだけど、それじゃあ似鳥さんの良さが半減だもんなあ。お仕事ものとしての面白さと、桃くんたちの笑えるやりとりと、事件とのギャップは慣れるしかないか。服部君は飼い犬ディオゲネスまでが期待通りの変態っぷりだった。

夢草紙人情おかんヶ茶屋 (【徳間文庫】)

夢草紙人情おかんヶ茶屋 (【徳間文庫】)

夢草紙 人情おかんヶ茶屋/今井絵美子
“おかん”ことお蝠が作るお惣菜は美味しそうなんだけど、哺乳類とかバタンキュウとか、そんなことば江戸時代にあったのか!?の連発でやや面食らった。つっこむことに楽しみを見出してからはあまり気にならなくなったが、各話にオチがないのがちょっと。ひぐらし店での濃厚な人情味も、一服の清涼剤とみるか嘘くさいと引くかは人それぞれかと思う。でもシリーズ化してるってことは一定の需要があるんだろうな。私はもうおなかいっぱい。