読了本

夜の底は柔らかな幻〈上〉

夜の底は柔らかな幻〈上〉

夜の底は柔らかな幻〈下〉

夜の底は柔らかな幻〈下〉

夜の底は柔らかな幻 上・下/恩田陸
架空の日本(?)を舞台にしたサイキックアクションホラー。ああ、またいつもの通り、風呂敷を畳まない終わり方なのか……。上巻は面白かったんだけどな、キャラも割と立ってるように思えたし。なのに盛り上がるべき下巻がやけに平坦に感じられた。モノローグでのスラッシュの多用もあまり好きじゃなかった。実邦がそこまで神山に執着する理由も、葛城から逃げる理由もぴんとこなかったし、葛城が実邦に拘る理由もよく分からなかった。ラストに至っては、なんなのそれはと。タミの仇と知らないにしてもさ。血のかよったキャラに思えたのは善法と勇司くらいだけど、ああなっちゃったしなあ。あと黒塚は、みつきはどうなった? なんだろう、もうちょっと後日譚みたいなものがあってほしかった気がする。だからって水晶筋の意味不明さがどうなるってものでもないのだけど。鹿がつぶされるとこ、グロかったな……。直木賞にノミネートされたので、どう選評されるのかにはちょっと興味がある。