読了本

天狗ノオト

天狗ノオト

天狗ノオト/田中彩子
児童書ながら、意外としっかりした和風ファンタジーで面白かった。現代の小学生であるタモこと保のパートと、祖父が若い頃出会った“天狗”の身の上話を記した「ノート」のパートとではカラーががらっと変わる。ノートの部分だけ独立させても時代伝奇ファンタジーとして読みごたえがあったが、それを読んだ小学生が謎解きを始めることでミステリやホラーの要素も加わり、いっぷうかわった読み物となった。ラストはちょっと弱い感じがするんだけど、ここで最後まで粘れたら児童文学ファンタジー大賞の大賞とってたかもしれない(今回は奨励賞を受賞)。