読了本

オチケン探偵の事件簿

オチケン探偵の事件簿

オチケン探偵の事件簿/大倉崇裕
落語研究会、通称オチケンの変人たちが大学で起こる事件を解決するシリーズ3作目。落語そのものはちょっとした味付け程度で、それほど謎解きとは関わらない。愛川晶の紅梅亭シリーズなどと比べると薄味だが、だからこそ読みやすいというのはあるかも。2幕目「高田馬場」はなかなか面白かった。しかし学長はちょっとマンガみたいですね。ああ、でもコミカライズ向けかもなあこの作品、とくに中村さんとか絵でみてみたい。あと柳屋小三治の「茶の湯」も聴いてみたい! 文章で読んでいても思わず笑ってしまうもの。

ナミヤ雑貨店の奇蹟

ナミヤ雑貨店の奇蹟

ナミヤ雑貨店の奇蹟/東野圭吾
30年の時を渡って行き来する悩み相談の手紙。東野作品ほとんど読んでないんだけど、たぶんいつもの作風とはちょっと違うのかな。ちょこちょこいい部分もあったものの(主に浪矢老人関係)、もっと驚くような仕掛けが用意されてると思っていたので、ハートフルかつこじんまりまとまったオチにやや拍子抜け。題名でネタ割れして、そこから一歩もはみださずに終わったなあ。もっとひねってあってもよかったのに。3人男の事情ももったいぶるほどじゃなくて、これなら最初から明らかにされてるほうが期待しなかったし、後で意外性が出たかもだ。