読了本
- 作者: J.R.R.トールキン,J.R.R. Tolkien,Douglas A. Anderson,山本史郎
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2012/11/01
- メディア: ペーパーバック
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第四版・注釈版というのは、出版後にも物語に手を入れまくっていたトールキンが最後に手を加えた1966年の最終版に、アンダーソンが徹底的に校正し詳細な注記をつけた2002年改訂版のThe Annotated Hobbit。これはその翻訳版(1997年刊)をさらに改訂した文庫化新版なんだそうだ。なので岩波の『ホビット』とは一味もふた味も違っている。
山本訳はちょっと、いやまあかなりクセはあるのだけど(特にドワーフの名前とかゴラムの口調とか)、そんなに抵抗を感じずにサクサク読めた。私も歳をとって寛容になったのか、PJの映画に慣れてどんなアレンジもどんとこいになったのか、改訳によってより読みやすくなったのか。まだまだセンスは微妙でも情景がつかみやすく、なかなか面白かったし新記述も非常に楽しめた。キャロックのこととか岩波版にもあったかな? 本文と注にそれぞれ付箋紙つけて、ずらしながら読んでいくのには少々骨が折れたものの、あのランサムの意見でトールキンが書きなおした、とかへぇボタン連打のトリビアがたくさん。しかも訳者あとがきを読んだら、ちょっと山本さんにpityを感じてしまった……なんか、いろいろ大変だったのね。