読了本

踊る猫

踊る猫

踊る猫/折口真喜子
ほのぼのしつつ、怪異譚の趣もある時代ものの連作短編集。デビュー作だそうだがしみじみよかった。ラストで登場人物の種明かしがある「かわたろ」や表題作は鮮やかだし、「夜の鶴」なんて泣けてしまった。これと「鳶と烏」は書き下ろしなのね。新しいほどうまくなってると思う(掲載が発表順じゃないのはなんでなんだぜ)。最後に入ってる新人賞受賞作「梅と鶯」もいい話なのだが、やや視点がゆれる感じで情景が少し読みとりにくかったもんなあ。先が楽しみな作家さんだ。あとこれ続編書いてほしい! 先生いい味出してるよね。「そんなんわしの鼻くそじゃ!て言うてピーンと投げてやれば」には思わず笑っってしまった。