読了本

星を撃ち落とす (ミステリ・フロンティア)

星を撃ち落とす (ミステリ・フロンティア)

星を撃ち落とす/友桐夏
少女小説界の鬼才が5年ぶりに復活、という前情報が先入観になって序盤はうーん?と思ったんだけど、それが実はミスリードだったと分かったところで思わず正座。そこからはイッキに読了した。いやー、いやー、なかなかのどんでん返しっぷりに読んでる間ずーっとドキドキしてた。少女たちがとっても個性的で、かつベタッとしてないのがよかった。無人島のテスト、私は茉歩のに一番近いかもなあ。ラストでは今までの不穏さが嘘のようにゆるゆると場がほどけていって、嫌な後味を残さない。これは作者の持ち味なんだろうか。面白かったからコバルトの既刊4冊も読んでみようかしら。

最果てアーケード

最果てアーケード

最果てアーケード/小川洋子
もとは漫画の原作として書き下ろされたもの。そのせいか、いつものアブノーマルさが薄くてあまり小川さんらしくない気がした。こうしてみると漫画版のふくらませ方、アレンジの仕方はみごとだ。小川さんらしさはちゃんと残してるのにイネ作品以外のなにものでもなかったもの。漫画はまだ1巻しか読んでないが、小説版は漫画で未読のあたりから「えっ? どゆこと?」という展開になってて、でもはっきりとは描写されてなくて。最果てって、最果てってつまり……。漫画版2巻でどう表現されてるのか楽しみだ。