読了本

夏休みの拡大図

夏休みの拡大図

夏休みの拡大図/小島達矢
独り立ちする親友ちとせの引越し準備を手伝う百合香。小学校時代から溜めこまれた懐かしい品々を前によみがえる記憶……それら甘酸っぱくも切ない思い出たちの「ほんとうの姿」がすこしずつ明らかになっていく。ノスタルジックな日常の謎もの。面白かった。謎じたいはそれほど意外性のあるものではないこともあったけど、描き方がうまいと思う。とくにすべての伏線がつながる最終章はなかなか鮮やかだった。

猫弁と透明人間

猫弁と透明人間

猫弁と透明人間/大山淳子
シリーズ2作目。といっても前作は未読でドラマ版も観てないのだけど、キャラが立ってて面白かった。百瀬法律事務所の面々をはじめ、エキセントリックな人物がいっぱい出てくる。特に杉山がラブリー。ただ時々ちょっと視点が定まってなくて、読んでて戸惑わされた。文章はシンプルで読みやすいのだが。こういう視点の取り方はシナリオ書きのときのクセなのかな。映像になってしまえば問題ないもんね、カメラがその人を映していれば分かるから。でもコミカルでほのぼのした雰囲気が楽しいので、続編が出るといいなあと思う。がんばれ猫弁太郎!