読了本

旅立ち寿ぎ申し候

旅立ち寿ぎ申し候

旅立ち寿ぎ申し候/永井紗耶子
面白かった。主人公の青年・勘七は日本橋の商人だが、幕末という時代の影響もあって、前半はかなり辛くしんどい展開が続く。ちらちら目に入る表紙の赤とぜんぜん合わないなあ、なんでこんなド派手な装丁にしたんだろうと疑問に思ったものだが。……なーるほーどねー!! 中盤から運がひらけるのは、とある出会いのおかげ。与平が水を向けてんのにぜんぜん気づかないで、この朴念仁め! と思わず突っ込んだわ。まったく夜盗さまさまだったよ。ともあれ次作が楽しみな新人女流作家の登場がうれしい限り。