読了本

みをつくし献立帖 (ハルキ文庫 た 19-9 時代小説文庫)

みをつくし献立帖 (ハルキ文庫 た 19-9 時代小説文庫)

みをつくし献立帖/高田郁
新旧つる屋の見取り図など、シリーズの副読本としてはかなり楽しめた。料理のカラー写真も綺麗で、「はてなの飯」とかはてしなく美味しそう! 小説では今一つピンと来てなかった「ひとくち宝珠」も、こりゃ確かにカワイイわと思ったし。エッセイ部分はややほっこりテイストが勝った感じ。一日つる屋で紳士がふきちゃん志望とかは吹き出したが、つる屋の味を売りにした店が出たというくだりは正直「えっ、ダメなの?」と思ってしまった。そりゃ作者公認とか勝手にうたってたりしたらアウトだろうけどさ。法的にはセーフな気がする……実際の店を知らないので何とも言えないけど。こういうのって線引きが難しいよなぁ、程度とかにもよるだろうし。でもはてなの飯をマネした店のみたいに美味しくなかったり、再現度がまったく足りなかったりするんだったら確かに許せんと思うわ。

ココロ・ファインダ

ココロ・ファインダ

ココロ・ファインダ/相沢沙呼
写真部の女子高生たちの心の綾を日常の謎ミステリの手法で描いた連作短編集。シズみたいな内面の見えないミステリアスな女の子は作者のお得意だけど、自意識過剰ぎみで傷つきやすくて心の中ではぐるぐるしまくってる思春期の女の子もなかなか魅力的に描くねぇ。いや、これが女の子だから可愛いのか? 男の子だととたんにうざったいヘタレに見えてイラッときてしまうのはどーしてだろう(笑)。誰とは言わんがポチとか柴犬とかさぁ……。4編のなかでは「ピンホール・キャッチ」と「ツインレンズ・パララックス」が写真ネタもうまく絡めてあって面白かった。