読了本
- 作者: 森晶麿
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/10/21
- メディア: 単行本
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ミステリ部分よりも推理にからめた「美学」のうんちくが面白かった。ホームズ役の通称“黒猫”とワトソン役の“私”とのやりとりも軽妙でやたらめったら楽しいのだが、ふたりの関係は正直なんなんだ?と思う。天才とその付き人で、大学時代からの腐れ縁で、しじゅう一緒にいちゃあ仲良く謎解き。……付き合ってんだよねおたくら? “私”にその認識はなくとも。黒猫は隙あらば“私”を甘やかそうとするしさぁ。かいがいしくご飯作ってやりーの、研究疲れを労わってやりーの。皮肉やからかいの合間に見せる優しさが実は不器用で迂遠な愛情の発露なんだったらかわいすぎるぞ黒猫。そして“私”もニブすぎるぞ。あの黒猫が好きでもない相手にベッド譲ってやったり苺パフェ食べさせてやったりするか? あげくに催眠かけたりとか(このくだりは何があったのかよー分からんかったが)、天才とヤンデレは紙一重ってか。でもこれはちょっとシリーズ化してほしい。もっと二人の会話にニヤニヤしたい。