読了本

舟を編む

舟を編む

舟を編む三浦しをん
もう間違いのない面白さ。いろんな方面を取材して小説に編み上げていくしをんさんのバイタリティに脱帽。辞書編集部に集うエキセントリックな人々のなかでも、『こころ』を実地で体験させようとする辞書の鬼・松本先生のイノセントな鬼畜っぷりには笑わされた。章ごとに視点が移るのだけちょっと落ち着かなかったな……荒木→馬締→西岡→岸辺→馬締と変わったのかな? あるイミ歴史を描いてく大河ドラマみたいな話なんで、個人の視点に固定されないほうがよかった気もする。にしても『大渡海』、初期メンバーがいるうちに完成させてあげたかった。学生バイトとして泊まり込みたいくらいだったが、本の外のいち読者の身では何にもできないのが歯がゆかった。