読了本・コミックス

図書館の主 1 (芳文社コミックス)

図書館の主　１／篠原ウミハル
児童図書館を舞台に、本を媒介にした人間模様が綴られる。面白かった！　子どもに届く言葉で書かれてる児童書が、大人へのメッセージ性を備えていない訳もなく。それらの本を差し出す司書の御子柴があんまり説教臭いことを言わない無愛想キャラなのがいいね。イケメンですらない（笑）。でも魔法使いのような万能感のある謎キャラでもない。経験と努力の積み重ねで今があるという過程を丁寧に描いてるとこもよかった。『幸福の王子』の話、ちょっと泣けた。続きが楽しみ。

最果てアーケード(1) (KCデラックス BE LOVE)

最果てアーケード　１／小川洋子原作、有永イネ漫画
小川さんが原作なら話は間違いなく面白いよな……、って原作書き下ろしなの？！　ぜいたく〜。小川さんの文章を有永さんだけが読んでるのか。いつか小説としても発表されるのだろうか。眼やら丸やらにこだわるフェティッシュな感じはいかにも小川さんらしいが、有永さんの絵が可愛らしさとあたたかさを添えていて奇妙さが薄らぎ、どの回もとても優しい雰囲気だった。百科事典の回が特に好き。

落合螢―出世花 其之2 (秋田レディースコミックスデラックス)

落合螢　出世花其之二／高田郁原作、黒沢明世漫画
お縁の凛とした雰囲気がすてきなコミカライズ。今回は風貌から「一枚岩」「化け物」とよばれた龕師の岩吉にまつわる物語。お紋はこの顛末をちゃんと知ってるんだよね？　せめて「自分には関わりのない、過去の事」とか思ってなければいいなぁ……。一生忘れず、棺桶まで抱えていってほしい。でないとやるせない。