読了本

異国のおじさんを伴う

異国のおじさんを伴う

異国のおじさんを伴う/森絵都
短編集。面白かった。それぞれの話に施された仕掛けがミステリ好きにはとっても楽しいんじゃないかと思う。「竜宮」「思い出ぴろり」「ラストシーン」「母の北上」 あたりはとくに、そうだったのか! という驚きを味わえてよかった。「桂川里香子、危機一髪」のオチは爽快だったし、表題作の主人公が愛好会にたどり着くまでの紆余曲折と、閉会後のひげ人形との道行きには思わず笑ってしまった。「藤巻さんの道」はラスト一行がきいてるねえ。ちょっと百田さんの『幸福な生活』asin:4396633661を思い出した。あれの中の、出来のいいやつみたい。

古くて新しいお江戸パワースポット 富士塚ゆる散歩

古くて新しいお江戸パワースポット 富士塚ゆる散歩

富士塚ゆる散歩/有坂蓉子
私もいくつかの富士塚は知っていて、遊び気分で登ったこともある。が「ミニチュアのなんちゃって富士」程度の認識しか持ってなかった。究極のシンボライズ空間……まさかこんなにディープな世界が広がってるとは、面白いなあ! さまざまな約束事も知らなかったけれど、今はまったく別の眼で富士塚をみることができそう。後半はちょっとトンデモ系に片足つっこんでたような。確かにイワシの頭も気功もレイラインも信心から、だなぁ。