読了本

瞳の中の大河 (角川文庫)

瞳の中の大河 (角川文庫)

瞳の中の大河/沢村凜
すっごくすっごくすっごく面白かった……!!! 魂もってかれたー。なんで今まで読まなかったんだろう。他の沢村作品は少なからず読んできたというのに(でもまだ未読のがけっこうある。寡作な印象あるけどいつのまにか地道にたくさん書いてる人だよなあ)。ハードカバーが出てからずっと意識してたにもかかわらず、なんとなーく敬して遠ざけるみたいな期間が続いてて、出版から8年後となる今回の文庫化でようやく手に取ったらアホみたいにイッキ読み。うわあ、こんな話だったんだ! 私『花の慶次』みたいなのかと思ってた(笑)。馬乗って笑ってる(?)旧版の表紙のせいだな*1。まあ『黄金の王 白銀の王』よりも男性向けな感じはするけどさ、カーミラの扱い方なんかをみると。でも子どもの描き方(無垢で守るべき存在)は女性ならではって感じはする。にしてもこういう小説ってジャンル分けに苦労するね。ファンタジーというのは違和感があり(幻想性皆無)、架空戦記ともちがい(戦闘に重点置かれてない)、北上次郎さんみたいに異世界冒険小説と呼ぶのもピンとこず(冒険してる?)。うーん。異世界歴史群像、とか……? 中心にいるのは一人だけど。ともあれスピンオフとしてエリネの冒険譚を熱烈希望、というのは北上さんと同感。想像するだにヨダレ出そうっ。

*1:瞳の中の大河