読了本

若様組まいる (100周年書き下ろし)

若様組まいる (100周年書き下ろし)

若様組まいる/畠中恵
面白かった。いままで読んだ畠中作品のなかではダントツに。『アイスクリン強し』の前日譚、でも前作ってほとんど印象に残ってなくてなぁ、読んでるうちに思い出してはきたものの……。あんまり明治らしさは感じなかったと当時の感想には書いてあるのだが、今回はそんなことなかった。明治と、地続きの江戸の空気が味わえた。あちこちに散りばめられた伏線が一気に生きる終盤もみごとで、久しぶりにミステリ作家としての畠中さんの仕事をみたような気がした。
登場人物が多くて把握が大変だったけど、入寮して授業が始まってからは加速度的に面白さが増していった。まあ若様は8人もいらなかったような気もするが。小説は字だけってのが辛いね、マンガだったらいっぱつで描き分けられるのにな。というのもちょっと『摩利と新吾』みたいな雰囲気があるなあと思いながら読んでたので。あれも同時代の男子寮ものだから(あと、園山に摩利を連想した)。
これ、単発でしゃばけみたいにドラマ化もいけるんじゃないの、と思ったらどんどん観たくなってきたよ(笑)。