読了本

つばさものがたり

つばさものがたり

つばさものがたり/雫井脩介
なんかとっても不思議なもんを読んでしまった。天使とケーキ屋と闘病女性の三題話ってすごい組み合わせだ。しかもどれかが主なんではなくて、どれもが主題という。最初から最後までけっこう、いやかなり重いのだが、ぐいぐい読ませてしまうのは“天使”のおかげかなぁ……レイがいなかったら、いくらケーキが美味しそうでもぜんぶ一人でかかえこんでる小麦の姿がしんどくて途中でリタイアしてたかも。つねにユーモアを生み出し、ときに活力剤となり、さいごには救いとなるのはさすが腐っても鯛というところか。