読了本

深川澪通り燈ともし頃 (講談社文庫)

深川澪通り燈ともし頃 (講談社文庫)

深川澪通り燈ともし頃/北原亞以子
シリーズ2作目。2部構成なのでほぼ2巻分のボリュームがある。今回もせちがらい世の中をどうにかこうにか渡っていく(そして、ときには沈みかけたりもする)男女の姿を、木戸番夫婦の「和み力」がまとめていく。生きていくっていうのはそれだけで大変なことだ。江戸の市井でも、現代でもそれは同じだなぁ。1作目では笑兵衛とお捨にもそれなりの苦労があり、生々しい感情も持っていることが描かれていたが、ここではもう“変わらぬ存在”の象徴になっているのね。