読了本

海賊と刺繍女 (集英社文庫)

海賊と刺繍女 (集英社文庫)

海賊と刺繍女/ジェイン・ジョンソン著、最所篤子訳
17世紀と現代が混ざり合う壮大な歴史ロマン。コーンウォールの港町からバルバリアの海賊に連れ去られ白人奴隷となった人々の……そして謎めいた古書に導かれて旅をする現代女性の運命は。面白くて一気読みしてしまった。ウッディウィスやアイリス・ジョハンセンなどに代表されるヒストリカル・ロマンスの系譜に繫がる作品、といっていいかと思うけどロマンス部分はあんまり突出してない(ホットさは皆無)ので男性でも大丈夫かと。逆にこの表紙ではロマンスファンは食いつきにくいよな。
史実をもとにしてるということで歴史的な部分はしっかりしており読みごたえがあった*1。あと読んでてキャサリン・ネヴィル『8』の影がちらちらした。あれも過去と現代が交互に語られるし、同じくらいミステリアスな展開だからね。終盤にはぞっとした。ええええ、さすがイギリス、オカルト要素は基本ですか!? 驚いたのが作者はジュード・フィッシャーの別名義でも活躍してるということ。ええええ、あの指輪物語オタクの? しかも後日談としての“パワーブック”認定とか、いろいろ盛り沢山すぎる(笑)。

*1:キャットが使う鉛筆だけは違和感があったんでググったら、「1610年までには、ロンドンの市場で鉛筆は普通に売られていた」ってウィキに書いてあった。でもちょっと微妙な気もする……