読了本
- 作者: フェリクス J.パルマ,宮崎真紀
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/10/08
- メディア: 文庫
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うーん、ここは笑うところ? と思う場面がいくつかあったり、しばしばくすぐったいほどロマンティックなときがあったりと、なんかこう、妙にしっくりこないものを感じていた。ストレートのつもりで受けてるのに、来るのはいつも「まっすぐ」みたいな……。
これ、舞台は世紀末ロンドンでも、英米の作家じゃなくてスペインの作家が書いてて、スペイン語の小説を訳してたんだね? どこか楽観的な感じがするのはそのせいかなぁ。最初からスペインって知ってたら、ちょっとニュアンス変わってたかも。森薫が描くビクトリア朝メイド、的な?
第2部では(おもに夫婦関係において)役得にあずかったウエルズについつい苦笑。えー、作者ってばウエルズにサービスしすぎじゃないの、と思ってた。第3部ではじめて、あれ? この本ってウエルズが主役? と気づいたのは私が鈍すぎか。でも“親愛なるバーティへ”までは「なにこの茶番……」とややうんざりしていたのだ。そしたら最後に一気に来たもんなあ。にしても前フリながっ!
SFファンよりロマンスファンのほうが楽しめるんじゃないだろうか。この時代の著名人がいろいろ出てくるのはちょっと面白かった。とくに『ねじの回転』は読んでみたくなった。