読了本

おくうたま

おくうたま

おくうたま/岩井三四二
織田に滅ぼされた浅井の血を引く唯一の男子・喜十郎。追っ手から逃れるため疵医師(きずくすし)である瑞石の弟子となり、戦場で怪我人の治療を手伝いながらお家再興の機会をうかがうが……。戦国時代の医師の姿がリアルに描かれていて、なかなか面白かった。こわもてでアバウトだが鈍くはない瑞石のキャラにも味があってよかった。しかし麻酔薬などない時代の外科治療ってのは恐ろしいな! 患部切断といえば鉈、止血と言えば焼きゴテだよ。タイトルの意味は最後にわかる。ずいぶんな回り道だったけれどね。