読了本

刀圭

刀圭

刀圭/中島要
貧乏人から薬代もとらず治療を続けてきた青年医師。世間には理不尽なことが多すぎ、正しいことがいつも間違っていないとは限らない。それらの事実を受け止めきれずに心が折れ、途中で道に迷う圭吾。理想は高くても泥をかぶりたがらない男を、タキは時に怒鳴りつけてでも支えようとするが……。時代ものとしても医療ものとしてもちょっと甘め・軽めではあるものの、けっこう楽しめた。永代橋の事故のあとでやってきた藤代屋のことばには私もハッとさせられた。