読了本

南の子供が夜いくところ

南の子供が夜いくところ

南の子供が夜いくところ/恒川光太郎
シュールというかファンタジックというか、児童文学っぽさや『エレンディラ』の南国版のような雰囲気も感じつつ、尾田栄一郎でぼんやり脳内マンガ化(笑)。それぞれの短編は微妙にリンクしているので、次はどう繋がるんだろうと楽しみにしながら読んでいた。「紫焔樹の島」「十字路のピンクの廟」「蛸漁師」がとくに好きだけれど、ラストの「夜の果樹園」はいつもの恒川ワールド色が濃厚で、じんわりといい感じにトラウマとしてココロに残った。おとぎ話の軽さを引き締める苦味、みたいな。