読了本

竜の涙 ばんざい屋の夜

竜の涙 ばんざい屋の夜

竜の涙 ばんざい屋の夜/柴田よしき
『ふたたびの虹』の続編。丸の内に店をかまえる「ばんざい屋」は京風おばんざいを安価で出すため、勤め帰りの常連客が多い。人柄のよい女将が楽しげに作る料理に舌鼓をうちつつ、ほっとなごむひととき……。普通の小説よりややミステリ寄り、そしてご飯がとにかく美味そう! なのに閉店しちゃったよー(泣)。香菜里屋もなき今、行きつけ(というか読みつけ?)のうまい店が減ってしまうのは淋しいなぁ。別の土地に店を出して客層変わってからの話もぜひ読みたいのだが。

明日をほんの少し 神様が用意してくれた場所2/矢崎存美
1作目は連作短編だったのが、今回は探偵事務所を飛び出して長編化。またしても香絵の周囲で不思議なことが起こる。「幽霊」としてしまったほうが話が早いだろうに、そういうふうに描かないのがけっこう不思議。その為にすごく分かりにくい、説明のつけにくい事象になってるんだけど、だからチープな感じがしない独特の雰囲気をかもしだしてるのかも。おむらさんが「奇妙」と表現したのがぴったり。イラスト効果でハートフルな柔らかさもプラスされてて。グミは、グミは結局なんなん? 可愛すぎるぜ!