読了本

午前零時のサンドリヨン

午前零時のサンドリヨン

午前零時のサンドリヨン相沢沙呼
鮎川哲也賞受賞作。……とにかく主人公の少年がもの凄い失言大王で、その才能を小出しにし続けたと思ったら中盤でドカンと一発かましてくれた。なのに「言ってくれなきゃ分からないよ」とか! キー! 登場人物の「〜してあげる」語法も多くて、本筋とは関係ないところでやたらイラッと来てしまったのはカルシウム足りてないせいかも? そんなわけで正直フーンという感じだったが終盤はなかなか華やかに“魔法”が決まっていて面白かった。まあ選考委員が上手い巧い言い杉だと却って「そうかなー」と疑問に思ってしまう嫌いはある。場面を前後させる手際がぎこちないこと、マジックの魅力を伝えきれているのか、高校生にもなって「寂しがりやの女の子」というキャラはどうなのか、というあたりはちょっと気になった。締めの甘々っぷりは逆に新鮮(笑)。次作はひとつ八反丸芹華さま主役でぜひぜひ。