読了本

コロボックル物語」シリーズは以前ハードカバーで読んで、古い講談社文庫版を持っているんだけども、未読の『コロボックル童話集』は青い鳥文庫にしか入ってないらしい。どうせならとシリーズの最初から青い鳥文庫で読みかえすことにした。細部もいいかんじに忘れてきたことだし。

“せいたかさん”と呼ばれることになる人間と、“コロボックル”と呼ばれることになった小さい人たちとの出会いを綴った1巻は、せいたかさんとおチビ先生との出会いの巻でもある。読んでて思わず顔がほころぶ。展開もむだがなくて面白い(これはどの巻にも言えることだが)。

死に絶えたと思われていた「マメイヌ」探索の巻。コロボックルじたいが伝承の存在なのに、それがさらに「クダギツネ」などと呼ばれてきた伝承の存在を探す……というところが妙に好きだ。謎解き要素があるのもいいし、“風の子”とクルミノヒメの淡い恋模様も楽しい。

コロボックルが人間につかまった! 「この世にただひとりとなるべし」――このフレーズ、見ただけで泣けてくる。過去の悲劇を想像なんかしたらば、すぐに涙がじわりと……。でもこのお話ってフィクションなんだよね、ああよかった……。まあ私は、小さい人たちはきっといる、と思っているけどね!