読了本

河鍋暁斎 暁斎百鬼画談 (ちくま学芸文庫)

河鍋暁斎 暁斎百鬼画談 (ちくま学芸文庫)

週末に国文学研究資料館の「百鬼夜行の世界」展へ行きたいので予習を兼ねて。
真珠庵本の妖怪たちと向きが逆なのは、版画だから下絵を板に写すときに逆さになっちゃったのかな、死後出版されたものだから間違いを指摘できなかったのかな、とも思ったのだが猿女や化粧をする女たちなど向きが変わってないのもある。これが暁斎の意図のままだとしたら、最初のほうの場面と繋がらない感じは残るものの、やっぱり最後の赤い玉を起点として、左から右へ妖怪たちの行進・突進は始まってるのだろう(玉から逃げてる感じはあまりしないのだが)。
石燕の本などから挿入された妖怪たちが塗り仏を初め仏教に関係するものが多いようなのも意味深、か? ぬらりひょんも数珠持ってて坊さんっぽいし。それと明らかに何かを上書きしてるラストの龍、あの下にはいったい何が描かれていたのか。ちらっと見えてるのは左手……なのかなぁ? もしかして赤い玉から吹き出たもの? 屁らしいと小松さんは書いてるけど(笑)。そこが分かるとこの図画の背景にある“物語”もおのずと説明できるのかもしれない。しかし明治の本でさえもう意味が分からなくなってるんだから、室町時代の写本なら尚更だわなー。