読了本

八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)

八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)

すごく面白かったのでまた読み返している。登場する料理がやたらうまそうなのもあるけど、健気な娘が必死に努力する姿が読んでて気持ちいい。そして何度辛い目にあっても潰れず立ち上がっては結果を出す、その芯のつよさ。ああ、時代ものって、市井ものっていいなあ。
上方そだちの澪はなかなか江戸の味になじめずカルチャーショックの連続なのだが、読んでるこちらも「ええっ、大坂では鰹で出汁を引かないの!?」と驚くことばかりだったり。かつては澪の奉公する老舗料亭のご寮さん(女将)だった上品な芳がキレて大怪我をするくだりでは、互いを思う気持ちのうるわしさに思わず涙。澪は店の再建に向けて一歩踏み出したばかりだし、佐兵衛の行方もいまだ知れないし、続きはもちろん出るんだよね? その日が今から待ち遠しくてたまらない。
今後の展開として、小松原や源斉とのラブはないのかなー。父親扱いの小松原さま(この人の正体も謎だが、土圭の間でぐぐったら……)はともかく、源斉先生は澪のことどう思ってるのか気になるよなあ。それにつけても澪の作る「とろとろ茶碗蒸し」「酒粕汁」あと「はてなの飯」が食べてみたいぜ。うーまーそーうー。