読了本

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

読みそびれていた名作を、夏が来るたび読もう読もうと思ってはや数年。読む読む詐欺みたいになってきたので新訳も出たことだしエイヤッと手にとって読みはじめた。面白かった! でも夏より冬に読んだほうがいいみたいだったな(^^;。寒さでコールド・スリープがよりリアルに感じられたろうに。
主人公と猫の運命が暗転するあたりからの展開にちょっと「アズカバンの囚人」を思い出した。今回はピートに、かつてはバックビークのために泣いたんだよ私……。ゾンビー・ドラッグにしろタイムマシンにしろ、登場の仕方のいきなり感にはどことなくコメディっぽい匂いがある。あと主人公がしばしば口からでまかせで難関を切り抜けるあたりなど、古きよき海外ドラマなら笑い声が聞こえてきそうな可笑しさなのだが(終盤のラブコメ展開も楽しかった)、翻訳にはそういう感じがあまりないので原文だとどうなんだろ……と思った。新訳ではどんなふうに訳されているのか楽しみだ。