読了本

マヤ、インカ、アステカ、オルメカ――かつて中南米に栄えた文明の跡をたどる紀行エッセイ。ここ何年かに出した小説よりも面白いくらいだった。オチがなくてもいいしね。サプライズ的に物語の断片が挟まったりするのも恩田陸ならではだが、“深夜の訪問者”には心底びびった。瞬時に立ち上がる異空間……恩田陸はこれだから油断がならない。グアテマラが舞台の『上と外』は資料と想像だけで書きあげたのだそうだ。実際に現地を訪れた今、もし続編が書かれるとしたらどんなものになるのだろう。