読了本

プリンセス・トヨトミ

プリンセス・トヨトミ

京都、奈良ときて今回の舞台は大阪。面白かった。ついに登場人物たちの口調が関西弁になったが、今まで頑なに標準語を守っていたのは何だったんだろう。キャラの名前がなにげに戦国武将っぽくていろいろ想像をたくましくしてしまった。真田家の男はいつも……には燃えたけど、旭が「そっち側」の人間とはなー。いや、そっちかと思ったらやっぱり「こっち側」だったんだけどさ。旭といえば終盤で鳥居の親になったシーンには笑った。あといつもと違ったのは今回は国家権力がらみの話になるところ。そのせいかやけに大掛かりに感じられた。なまずを鎮めるよりもずっと。
松平のいうように「くだらない」の一言で切り捨ててしまったら世の中には下らないことばかりになってしまうが、理由や対象はどうであれ代々守り続けていくものがある、ということには意味があるのではないだろうか。親子の絆が希薄になりがちな昨今、それを更新しつつ大阪人の心意気を四百年もつないでいけるなら、年間5億の支出も無駄ではないような。いや、やっぱ高すぎるかな? それに大阪ばっかりズルイ(笑)。でも街にひょうたんが静かに盈ち溢れていく情景を思い浮かべたら鳥肌がたつなあ。本当に、現実にそんなことがあったらいいのに、と思う。