読了本

深山に棲む声

深山に棲む声

日本昔話をベースにしてるのかと思えば、パンとか出てきて何やら無国籍な異世界ファンタジーふう。さらにどこかで繋がりのある人々を主役に据えて語られるそれぞれの話は時系列も前後していて読んでるほうは頭が混乱する。だがそれも仕掛けのうちで、最後には大小の謎解きを含んだ複雑な物語がどーんと立ち上がってくるのだった。えーじゃあやっぱりババの頭の後ろの口は昔話的誇張なのか? あの人ならふたつ口があってもおかしくない感じがするけれど。
権力と財は他のものに任せておいて、大きな廻り道をしたすえ再会したふたりはこれから幸せに暮らしてくれるといいなあ。ああでもイヒカは鏡麻呂のところに戻っちゃうのか? とじさまは山を降りないだろうし。まあそれほど遠く離れるわけじゃないからイヒカがまた会いにいけばよいのか……。