読了本

赤い月、廃駅の上に (幽BOOKS)

赤い月、廃駅の上に (幽BOOKS)

創作鉄道怪談集。なかなか面白かった。ホラーであっても有栖川さんらしさはそのまま。さほど怖くはないが哀しさや切なさがじんわり残るような短編が多いなか「テツの百物語」は異様なまでに恐ろしかった。そもそも踏切って怖いよな、あの警報の鐘の音に追い詰められるような感じがして。車で踏切に侵入したとたん警報が鳴ろうものなら心臓バクバクものだ。さて何かを怒らせてしまったらしいテツの面々、警告だけで許してもらえたのかな? それとも……。「海原にて」もよかった。新幹線が出てきたときはあっけにとられたがオチに感心した。こういうネタでこないだ陳腐なの読まされたからいい口直しになった。