読了本

英雄の書 下

英雄の書 下

うあー、せめてユーリが女子高生以上だったなら“灰の男”アッシュとのラブも期待できたのに、小学生じゃ盛り上がんねー……と半ばなげやりな気分で読み進んでいたが、ラストにたどり着いてやっと子どもである必然性に納得できた。というか、これがオチありきの長い前フリだったんなら仕方がないなと。長すぎるけど。どうもペース配分がへんな話だったよなあ、どうでもいいところはだらだらしてて、じっくり描いてほしいところは駆け足で。この話を上巻にまとめて、下巻からは新生ユーリの物語が始まるんだったらよかったのにな。むしろそっちが読みたいよ。もとは新聞連載だったそうだから全体の構成がでこぼこしてても直しようがなかったのかもしれない。
ユーリは大樹の妹より姉に設定したほうが適切だったろうとは今も思うのだが、もっとヘンだなあと感じるのはなんで彼女に真実を話さなかったのかということ。あの人たちオルキャストが来るたびに小芝居をうって冒険やらせるのかしら……。騙してあとで失望させるより(ユーリ聞きわけがよすぎだ)、真実を話して覚悟させてそれでもやるべきことをやらせるほうがいいんじゃないか? 最初に「子どもでなきゃ」って縛りがあったせいで後からどんどん無理がでてきたような気がする。アジュは行方不明だし、続編がありそうな終り方なんだが、あるならユーリは女子高生以上でお願いします。