読了本

スリーピング・ドール

スリーピング・ドール

服役中の凶悪犯ダニエル・ペルが脱走し、逃亡先で人を殺し続ける。訊問のスペシャリストでもある捜査官キャサリン・ダンスは彼の心理や思考回路を読んで行動の理由を探り出そうとするが……。リンカーン・ライムシリーズからのスピンオフらしい。ライムとアメリアもゲスト出演するけれど普通に単品として楽しめる。ていうかもう怖くて怖くて、こんなに分厚いのに途中でやめられなかったよ! 人は多かれ少なかれ、老若男女問わず、他人を操りまた他人から操られて生きてるんだなぁ……。
悪魔のように勘が鋭く頭の回るペル、嘘と真実とを見分けようとするダンス、ふたりの頭脳戦は手に汗握る迫力だった。終盤のモートン家での出来事にはほんとにびっくり。もつれあった状況が整理されてすっきり筋が通ると気持ちがいいやね。まあ爆発のあたりは何だかみえみえじゃない?とか思ってしまったのだけれど。あんまりどんでん返しが多すぎるのも考えものだな、しまいには感覚が麻痺してきてもっと凄まじいことが起こらないと物足りなくなってしまうもの。