読了本

思い出探偵

思い出探偵

「思い出」にまつわる“もの”や“ひと”、“こと”を探す手伝いをする探偵社を舞台にしたミステリタッチの物語。タイトルや装丁からほのぼのこじんまりした雰囲気を想像してたら、最初の1話こそそうだったもののサスペンスフルな事件は起こるわ数十年どころか数百年の歴史を遡っていくわ、いろんな要素がどっさり盛り込まれていて面白さのあまり一気に読んでしまった。わずかな手がかりを辿っていくうちに道が開けて思いも寄らない事実にたどり着く。その展開の妙に興奮した。またこの探偵社のチームワークがいいんだ、調査員それぞれのキャラも立ってて。調査の過程で出会うお爺さんキャラもかっこいい。派手さはないが職人技的な確かさを感じさせる良作だと思う。もうちょっと読みたいのに……というところで終ってるので彼らのその後が気になって仕方ない。